2026年03月18日

当社のAI戦略と競争優位性に関する考え方について

SREホールディングス株式会社

SREホールディングス株式会社(証券コード:2980 以下「当社」)は、生成AI(Generative AI)の急速な普及による事業環境の変化を踏まえ、当社のAI戦略および競争優位性に関する考え方を、以下の通りお知らせいたします。

【要旨】

  • 生成AIの普及により、競争力の源泉はAIモデル単体ではなく、どのデータに接続し、どこまで現場に実装し、どれだけの利益を創出できるかへと移りつつあります。
  • 当社は、不動産・ヘルスケアの実業を基盤とする実証フィールド、クローズドデータ、運用ノウハウを組み合わせることで、業界特化型AIの競争優位性を構築しています。
  • 当社は、生成AIの技術進化を外部環境として受けるだけでなく、実業オペレーションへ迅速に適用して価値化・利益化できる構造を強みとしています。

■当社のAI戦略の特徴

当社の特徴は、AIを机上で開発するのではなく、不動産・ヘルスケアの実業を通じて実装・検証・改善できる「実証フィールド」を有している点にあります。

実業から得られる独自リアルデータ(取引/オペレーション履歴等)を情報源として、業界特化型AIを継続的に磨き込み、その成果を再び現場へ還元する循環を構築しております。また、現場に入り込み、課題を発見し、業務プロセスにAIを組み込む運用ノウハウも有しております。

【図表①】実業という実証フィールド

「自動車開発にサーキットが必要なように、AI開発にも"実業"という"実証フィールド"が必要」

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  • 実験室(ラボ)と実社会(フィールド)の違い: シミュレーションでは再現できない複雑な事象を、実業現場で検証
  • 高速な改善サイクル: 実業から生まれる独自データ(走行データ)が、即座にAIの改善(チューニング)につながる

「机上の空論ではなく、リアルな環境でプロフェッショナルが使い込み、
データを還流させることで初めて実用的なAIが完成する」

■事業構造(生成AI環境下)とデータ基盤の要点

当社は、現場固有のクローズドデータと業務プロセスに根差した運用を前提とする領域(不動産・ヘルスケア等)に事業を展開しており、生成AIの普及は当社にとって代替圧力よりも生産性・付加価値の向上に結びつきやすいと捉えています。あわせて、不動産の実取引・査定・交渉ログ等、ならびにヘルスケアの施設運用・経営支援・チャットボットログ等の現場データに接続しており、AICCセグメントではARR75.8億円、課金契約社数5,633社、平均月次解約率0.4%(2026年3月期第3四半期累計)と、継続利用を前提とした運用規模を有しています。

【図表②】実務上のクローズドデータの利用割合

「公開データ中心の汎用生成AIでは代替しにくい領域に、当社の収益基盤が集中」

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①現場固有データ領域に注力
  • 当社は、不動産・ヘルスケアなど、現場固有のデータやその専門的な業務知識が特に求められる領域に事業ポートフォリオを集中させています。
②公開データでは代替困難
  • これらの領域では、Web上の公開データだけでは代替しにくく、クローズドデータと現場への深い実装力が競争力を左右します。
③生成AIは「脅威」でなく「機会」
  • そのため、生成AIの進化は、当社にとって代替圧力よりも、業務高度化・生産性向上の機会として作用しやすい構造にあります。

また、当社の各事業は、生成AIの進化によって一律に影響を受けるのではなく、事業ごとに異なる形で、生産性向上、付加価値向上、データ蓄積の機会を得る構造にあります。

【図表③】生成AIの進化の各事業への影響見通し

「生成AIの進化は、当社にとって各事業の実務適用を深め、
クローズドデータと運用ノウハウをさらに蓄積する方向に働く」

事業 生成AIによる影響 見通し判定 当社の見通し説明
ヘルスケア / BPaaS
  • 問合せ対応や記録業務の自動化
  • バックオフィス業務の省人化機会

ポジティブ
問合せ対応や記録業務が自動化され業務効率が上がり、対応できる業務領域や顧客数が増加し売上・利益への寄与が期待される
コンサルティング
  • 要件定義・実装の自動化による単価下落圧力
  • AI導入需要の爆発的拡大

ポジティブ
あらゆる企業がAIで省人化するようになり、AIの導入支援コンサルティングは大きな伸長が期待される
プロップテック
  • 汎用SaaS機能のコモディティ化
  • 実務フロー自動化ニーズの高度化
  • マーケティング/集客ツール領域は代替リスク

混在
業務フローに深く組み込まれたAIによる差別化強化(ポジティブ)と、マーケティング/集客ツール領域での代替リスク(ネガティブ)が混在。差別化領域への注力でリスク管理
ロボティクス
  • AI導入需要の爆発的拡大
  • 現場データとAI制御の高度化要求
  • 国産ニーズの高まり

ポジティブ
AIの性能向上でヒューマノイドのデータ収集が容易になり、製品化の実現可能性が高まると見込む
不動産販売 / 仲介
  • 顧客対応・査定の自動化による人手不要論
  • 競合参入障壁の低下リスク

ポジティブ
顧客対応や査定業務が自動化され、営業人員は顧客接点に集中することで一人当たり利益額の増大が期待される

■現場で使えるAIとしての実証

当社が提供する「SRE AI査定CLOUD」は、実取引データを基に、AIが不動産価格を査定し、査定書を自動生成する業界特化型AIソリューションです。

同サービスは、2021年以降の累積で約850万時間の業務効率化に貢献し、査定書作成時間を180分から5分へ短縮するとともに、誤差中央値5.6%の査定精度を実現しております。

当社は、このような「現場で使えるAI」の実証を通じて、データとオペレーションを結合した業界特化型AIの有用性を高めてまいりました。

■当社の独自の強み

当社は、クローズドデータが重要な業界に特化していることに加え、AIと実業の双方を持つ事業構造を有しております。そのため、AI市場環境が変化しても、AIソリューションの提供だけでなく、実業における生産性向上・収益性向上の面からも利益創出が可能です。

仮に今後、生成AIが想定を超える速度で進化した場合でも、当社はそれを実業オペレーションに迅速に適用し、利益創出につなげることができると考えております。当社は、技術進化を外部環境として受けるだけでなく、実業と結びつけて価値化できる構造を有している点に独自の強みがあると認識しております。

【図表④】当社の独自の強み

「クローズドデータ特化と実業との二刀流による、持続的な利益成長構造」

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■今後の方向性

当社は今後も、クローズドデータと専門性の高いオペレーションノウハウを基盤に、業界特化型AIの深化と横展開、データ×オペレーションの継続強化、ならびに実業とAIの相乗効果の最大化を進めてまいります。

これにより、生成AI時代において、汎用AIを活用しつつも、実業を持つ業界特化型AIとそれによりさらに効率化された実業の両輪で、今後も力強くサステーナブルな事業成長を実行していく方針です。

■本件に関するお問い合わせ先

SREホールディングス株式会社 企画管理部門 広報IR室
TEL:(03)-6274-6550

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